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最高裁判所第一小法廷 昭和28年(オ)1083号 判決 1954年12月02日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

論旨第一点について。

上告人がその所有農地を契約によつて長浜農業会に提供し、長浜農業会は更にその一部を他人に提供し、右農地が右長浜農業会等によつて耕作せられており、現実の耕作関係が小作関係であると認められる本件にあつては、たとえ右農地を長浜農業会が所有者たる上告人の同意を得ないで他人に提供したものであり、また所有者と耕作者との間に締結された耕作権設定契約が農地調整法四条の知事の許可がない為に無効である場合であつても、右農地は、自作農創設特別措置法三条五項四号の小作地に包含されるものと解するを相当とし、この点に関する原判決判示は正当である。それ故、所論は採用することができない。

同第二点について。

所論は、原審で主張判断のない事項を当審ではじめて主張するものであつて、上告理由として不適法であるばかりでなく、自作農創設特別措置法二条二項によれば、「小作地とは、耕作の業務を営む者が賃借権、使用貸借による権利、永小作権、地上権又は質権に基づきその業務の目的に供してゐる農地をいふ。」とせられ、ここに「耕作の業務を営む者」は、法人をも包含すると解するを相当とする。それ故、所論は採用することができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 斉藤悠輔 裁判官 岩松三郎)

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